
新しい資本主義エンジンモデルを作ることができる ディグニティ ティール組織(Dignity Teal組織) とは?
こんにちは。Noh Jesuオフィシャルブログ編集部です。
2016年8月以降、「一億総活躍社会」を実現するため、非正規雇用労働者の処遇改善や長時間労働の是正など、労働制度の抜本的な改革を行う「働き方改革」という言葉が多く飛び交うようになりました。(参考:一億総活躍社会の実現 「働き方改革」の実現に向けて|厚生労働省)
開始から2年が経ち、その経過や成果を読者のみなさんはどう実感しておられるでしょうか?
立場や環境に応じて多様な声があると思います。
そこで本日は、やる気や生産性を高める働き方改革を主導する「ディグニティ ティール組織(以下、Dignity Teal組織)」という、持続的に進化する新しい組織の提案と創り方について触れていきます。
新たな日本の希望、方向性を感じていただけたら幸いです!
働き方改革が進まない本当の理由
- 編集部
- Nohさん、本日もどうぞよろしくお願いいたします。
- Noh
- よろしくお願いいたします。
本日のお題として「やる気や生産性を高める」とお伝えしました。
早速ですが、今の仕事や生き方について逆にお聞きしてよろしいですか?
- 編集部
- はい、お願いします。
- Noh
- 今の人生にやる気が溢れ、生産性が高いと感じていますか?
同様に、今ある組織は、皆がやる気に溢れ生産性が高い状態だと感じますか?
さらに言うと、今の日本は皆やる気が溢れ、生産性が高いと感じていますか?
- 編集部
- 施行後さまざまな取り組みをしている企業・個人がありますよね。
成功している事例も聞きますが、実際にやる気や生産性を上げるという事はなかなか難しい状況なのかなと感じています。Nohさんはなぜ今の時代に働き方改革が推進されていると思いますか?
- Noh
- 働き方改革が推進される背景には、日本の生産性が減少し、さらに鬱や人間関係のトラブルによる人材育成、関係育成、組織育成の難しさが潜んでいます。
- 編集部
- 少子高齢化で労働力が不足し、将来の日本の経済成長が阻害されることが懸念されています。
産業構造の転換を図り、労働生産性をどうやって高めていこうかと思っても、人材育成がなかなか進まないのであれば先行きが見えない状況と言えるかもしれませんね。
- Noh
- 実はこのような問題は、人間が潜在的に抱えている機能的限界から生じているのです。
書籍『ティール組織』(原題:Reinventing Organizations ※組織を再発明する)の中で描かれているように、人間の意識やパラダイムの変化に伴い、組織的変化によって問題に対処・対応してきたのが人類のこれまでの取り組み方でした。しかし、IT技術の進展によりグローバリズムな経済戦争を要求され、さらに人間代行者であるIQ10,000にも及んでいくAI(人工知能)の誕生、そして、情報知識の大洪水・大氾濫により、人の考えや感情、人と人との関係や絆が脆くも破壊され、鬱や自殺、争いや殺人、さらには核戦争による人類滅亡、文化文明の危機に直面しているのが現代の状況です。
そのような状況の中でやる気や生産性を高めることは、実は非常に重要な課題なのです。
それと同時に人間の存在意義にも直結する深刻な問題でもあります。
- 編集部
- 書籍『ティール組織』は、12カ国語に翻訳され、20万部を超える ベストセラーになっているそうですね。
Nohさんのおっしゃるように、このような時代状況を鑑みると、経営者層のみならず多くの人にとって関心が高いテーマであることが分かりますね。では、やる気や生産性を高めるために必要なものとは何でしょうか?
生産性を高める上で知るべき必須要素とは
- Noh
- 生産性を高める方法に関して、多国籍テクノロジー企業であるGoogle Inc.(以下、グーグル社)は2012年より生産性向上計画「プロジェクト アリストテレス(Project Aristotle)」の中で、その重要な要素についてこのように言及しています。
『生産性を高める一番重要な要素とは、
「心理的安全性」、そして次に「信頼性」であった。』
- 編集部
- プロジェクト アリストテレス(Project Aristotle)は、2016年に米国経営学誌Harvard Business Review誌面で全貌を明かし注目を集めましたね。ご存知の方も多いのではないでしょうか。
【参考】What Google Learned From Its Quest to Build the Perfect Team – The New York Times 編集部
- Noh
- これが意味することは、生産性を高める要因として自身の心の状況や関係に対するイメージは非常に大きい影響力を持つということです。
・自分自身の考えや感情の統制
・人との関係の結び方
が時代環境、時代背景的に困難になってきており、実は生産性に影響を与えているという研究結果があります。といったわけで、グーグル社など多くの企業がマインドフルネスや瞑想などの感覚的治癒を研修などに取り入れるようになっています。
- 編集部
- マインドフルネスは、日本でもメジャーになってきていますね。
生産性を高める要因が“心の状況”というのは、なるほどそうだなと思います。仕事でプロジェクトを進行する際に、自分の考えや感情がコントロールできなかったり、仲間とうまくいかない状況では生産性を高めるのは難しいですよね。
ましてや時代環境、時代背景的に困難になってきているのであれば、もはや一個人の問題ではないですし…、だから組織で取り組む必要があるわけですね。
- Noh
- はい、そうですね。組織的なアプローチが必要です。
書籍『ティール組織』では、これからの理想的な組織の条件として、
(1)持続的に進化する目的
(2)セルフマネジメント(自主経営)
(3)全体性(ホールネス)の発揮
ができる組織を“ティール組織”と表現し、次世代型組織として希望を持っています。これらは、(1)組織の存在目的が時代や社会に応じて進化し、(2)自分の考えや感情を自己経営し、(3)会社やプロジェクトに対し主体的にアプローチでき、なおかつ公私の切り分けなどなく自分自身の全体性や、立場を超えた全体性を発揮できる個人の連帯を指します。
実際にこのような組織が具現化できれば本当に理想的であり、それこそ「心理的安全」や「信頼性」も結果的に増幅していきます。
しかし、実情としてはなかなか取り入れることが困難なものとして、「理想的ではあるが現実的でない」と感じる現場の声も多いようです。
- 編集部
- 実に興味深いですね!私もそのような現場の声をお聞きしたことがあります。
図で見るとイメージしやすいかもしれませんので、こちらにもご紹介しておきます。
- Noh
- 現代の多くの組織を分類すると、「達成型組織」、「多元型組織」が多いと言われているのですが、
「達成型組織」はピラミッド構造のトップダウン型で意思決定を行い、「多元型組織」は多様性を受け入れボトムアップ型で意思決定を行うという特徴があります。
しかし、それぞれには課題があります。「達成型組織」のトップダウンによる意思決定では、多くの人の考えやアイディアが通らず結果的に無視され、半ば機械的に執行するのみにとどまり、働き甲斐や喜びなどを感じにくく、精神的な痛みを伴います。
一方で、「多元型組織」のボトムアップによる意思決定では、意思決定までのスピードが遅く、また本当の意味で全ての人が納得する決定を下すことがほとんど難しい側面があり、これだけ激化した企業競争時代ではなかなか取り入れられにくい組織体系でもあります。
- 編集部
- この「達成型組織」と「多元型組織」が試行錯誤している中で、それを超える「進化型組織」がじゃじゃーんと世の中に現れたわけですね!
書籍では事例が掲載されておりますし、これまでの延長でトライアンドエラーをしていけば、これらの組織の問題が解決される日はそんなに遠くはないという事でしょうか?
ティール組織実現のために越えなければならない決定的課題
- Noh
- このティール組織の実現には越えなければならない決定的な課題があるのですが、それを説明するのにご紹介したい書籍があります。
2018年今年NHKでも来日報道され、話題になったドイツの哲学者であるマルクス・ガブリエル氏の著書『なぜ世界は存在しないのか』(原題:Warum es die Welt nicht gibt)です。その中で、
「人間は誰もが世界全体を見た人などいない、
人間は誰もが部分観である。だから世界は存在しない」と彼は表現しているのです。
- 編集部
- 哲学書としては異例のベストセラーのようですね。
特集番組を見ましたが、かなり衝撃的な内容でした。
この彼の表現が、やる気と生産性のある組織作りの課題とつながってくるのですね!
- Noh
- はい。ティール組織の条件の一つに“全体性の発揮”がありましたよね。
このことはそもそも「人間の意識は部分観である」という限界をどう超えるのか?という課題が、実は本質的なボトルネックとなってしまっているという意味ともいえます。
- 編集部
- Nohさんがよくお話されるプリンのたとえ話、人間の脳機能の限界と繋がりますね。
詳しくはこちらをごらんください。
- Noh
- 現状ではティール組織を取り入れようとするものの、人間の意識の部分観を問題視しないまま組織的ファシリテーションや役割変動で突破しようとしています。
- 編集部
- それはティール組織実現の為に越えなければならない決定的課題ですね!
急がば回れ!全体性の発揮に必要な技術とは?
- Noh
- 実は「急がば回れ」でこの課題に対する安全確実なアプローチがあります。
この部分観に固定され、無意識的な絶対視から自由になり、共通・全体・今ここを認識活用できるようになる技術が完成しているのです。それこそがnTech(認識技術)であり、わたくしが日本の若者と23年前から研究開発してきた教育技術でもあります。
- 編集部
- 確かに急いで物事を成し遂げようとするよりも、安全で確実な遠回りによって、この課題は越えた方が手にする歓喜は大きそうですね。
もう少し具体的にお聞かせくださいますか?
- Noh
- はい、分かりました。
心や関係などのあらゆる束縛から大自由になることではじめて全体性、つまり「人間の最高の機能」が発揮されるのです。
その全体性から部分観のつながりを自ら統制できることで、初めてセルフマネジメントが可能になると言えます。しかし、部分観と経験知識による人間力の形成では、どうしても“暗記知識”と“上書き知識”の生産にとどまります 。
さらには無意識領域を統制することができないため、自分自身を運営・経営することができず、考え一つ、感情一つを統制できるどころか逆にそれに対して右往左往したり、アップダウンを繰り返してしまいます。
- 編集部
- 全体と部分がつながることで、先ほどティール組織のお話で出てきた「(2)セルフマネジメント(自主経営)」が可能になるのですね。
気持ちのアップダウンの背景がわかれば、とても安定した経営につながりそうです。人とのコミュニケーションについてはいかがでしょうか?
- Noh
- そうですね、人間はみんな違う部分観を持っているので、人と人が出会ったときコミュニケーションをとれば、構造的にみれば解釈や表現のズレは当然頻発します。
ですから結果的に「コミュニケーションはズレるもの」となり、誤解や我慢・妥協が積み重なり、その結果、意識にも無意識にも不信感や裏切りの蓄積されてしまうのです。
- 編集部
- 会社組織に限らず、夫婦、家族でもよく聞きますね。
- Noh
- そのような前提条件の中で、人類は組織を構築するために、古代は暴力、そして現代は財力で統制している現在地にいます。
しかし、その財力による統制も限界にきて、多くの人が働くことそのものを放棄する心が蔓延しているのが実情なのです。
このような脳の機能に固定された、人間力・人間関係力・組織力でやる気も生産力も高めることは不可能な時代に突入しています。
- 編集部
- 特に若者は就職活動や職場において葛藤しているように思います。
この時代の最先端を表す存在としてみれば、当然の状況だったと言えますね。Nohさんはこの危機的状況に対して、どんな解決策をお考えでしょうか?
- Noh
- nTech(認識技術)では、この部分観の限界に明確にメスを入れ、
- 全体性・尊厳性を発揮する個人・意識を教育技術によって量産し、
- これまでの誤解関係から生じる人間関係のトラブル、ストレス∞(無限大)の状態から、人間関係のトラブルやストレスをZero化させ、さらにクリエイティブが生まれる関係を∞化し、
- その集団でクリエイティブのシナジーを発揮するDignity Teal組織の構築
に向けて尽力しています。
(参考:精神セルでつくられる美しい組織=GI(Group Intelligence)とは)
全体性の発揮による連帯は信頼がどこまでも蓄積連鎖し、持続的な進化をもたらす
- 編集部
- ヨーロッパ、アメリカ、日本の資本主義発展モデルを牽引してきた各国の組織形態にはどんな違いがありますか?
- Noh
- 資本主義経済の発展に活躍した個人主義による成果主義・実力主義ですが、そのエンジンも現代は臨界点を迎えています。
むしろ、副産物としての資本主義の暴力性が現代人の心と絆を破壊しています。資本主義の中で、合理性によって発展したドイツ、利益中心で発展したアメリカ、人間関係によって発展した日本でしたが、個人主義の荒波には逆らえず、和を尊び、関係を大事にする日本の精神も、経済戦争の前では対峙する ことができなくなっています。
全体性・尊厳性の発揮は、何よりも深い心理的安全の源泉そのものであり、その全体性の発揮による連帯は信頼がどこまでも蓄積連鎖し、持続的な進化をもたらすのです。それは部分観の表(おもて)に執着しない、表無し=おもてなし(全体性の発揮)そのものの心です。
その日本の精神や心と直結する人づくりの教育技術を、「nTech」として完成させました。一人だけの主観的な感覚にとどまらず、あらゆるジャンルの知識体系と疎通交流し融合されて、誰もが論理・イメージで認識再現ができるように体系化しています。
- 編集部
- お話をうかがっているとDignity Teal組織は、日本で実践モデルが誕生しそうだと感じましたが、どう思われますか?
- Noh
- 部分観にとどまった認識から全体性を明確に発揮できる認識に変化することで、やる気・モチベーション・生き方・働き方が大きく変化し、そこから初めて本物の人間の社会性、組織創造がスタートするモデルが、間違いなく日本から誕生しますね。
今までは組織・集団を強調すれば、一人ひとりの個性、人間の尊厳性を破壊するものでした。
人類は誕生以来約500万年もの間、闘いと戦争によって、人間性や尊厳性の破壊を繰り返してきました。Dignity Teal組織はその人類歴史に終止符を打ち、全体性・尊厳性の源泉からはじまった希望・歓喜・感動あふれる生き方を可能にします。
仕事中毒の人間、部分観の人間の限界を突破することは人類の願い、日本の願いそのものです。
- 編集部
- 『サピエンス全史』や『会計の世界史』など、人類歴史を振り返る書籍が軒並みベストセラーとなっている現代、全体性からはじまる組織作りは人類全体の願いとして待望されていますね。
これからの資本主義の未来像を表現するとすればどのようなものになりますか?
- Noh
- やる気、生産性を高める働き方改革の中心点である認識の変化(部分観から全体性・尊厳性の発揮)からDignity Teal組織創建ムーブメントを通じて、日本を、そして世界・時代・歴史・宇宙までも歓喜・感動あふれる未来を創造していきたいと思います。
そのためには全体性・尊厳性を認識する人間そののもの変化を必要とします。
これは人間の深いところに隠されているニーズの開発開拓につながり、巨大な経済大陸を形成します。
お金の稼ぎ方 | お金の使い方 | |
今までの 資本主義経済 |
1.雇われ 2.自営 3.ビジネスオーナー 4.投資 |
1.浪費 2.ストレス発散 3.消費 4.投資 |
これからの 資本主義経済 |
5.尊厳認識 | 5.尊厳認識 |
- 今までの実物経済・金融経済は1~4の経済循環で終わりました。
これからの時代は5.尊厳認識 まで取り入れた人間の全体性・尊厳性・主体性・自発性がどんどん活性化できる経済循環を起こすようになります。
実物経済と金融経済と認識経済が三位一体になった、経済循環が新しい資本主義経済のエンジンになります。
nTechではこれを尊厳資本主義と呼んでいます。次回は、
- 現代人はどんな変化を熱望しているのか?
- 組織の本質とはどういうものなのか?今までの個人と組織の関係、これからの個人と組織の関係はどのように変わるのか?
- 最近流行の「ティール組織」は今までの組織に対しどんな問題を訴えているのか?
- 今のこの時代に「ティール組織 」がブームになっている理由とは何なのか?
- NRグループが23年間準備してきた未来組織のモデル(Dignityフィールド)とティール組織の共通点と違いとは?未来社会はどんな組織が当たり前になっているのか?
を語ってみたいと思います。
- 編集部
- ありがとうございました。次回もお楽しみに!
本日もお読みいただき誠にありがとうございました。
(インタビュー・編集:長野広樹、鈴木久美子)
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